2013年10月29日

萌えミリパッチを作る(その4)作図の流れとサブデュード

こんにちは。今日もバタバタしながら書いております。
これから萌えキャラに限らず、パッチを注文される方の参考になると思いますので・・・




しかしながら、眠い眠い・・・。

昨日、急遽日テレ系の情報番組「ZIP!」の取材を受けることになり、殆ど寝ずに一晩中釣りをしておりました。
読売テレビ関西圏のみ放送とのことですが、明後日31日放送で出るらしいです。
もちろん、「めいどいん沖縄パッチ」も装着しておりますので、もしご都合よろしければ見てやってください。


今回も引き続き、萌えミリパッチを題材にして、パッチのデザインについて書いてみます。

 後付けになってしまいますが、マンガやキャラクターを書くときの”デッサン”について解説している本を、イラストレーター養成の学校に通っていた弟から借りてきました。時間がないのでざっと読み返してみましたが、最初は「まるばってん」から、骨格とか筋肉の構造などを意識して書いていくととても楽なのだということがわかります。
 私の場合は独学で書いた程度なので、今度書く機会があれば意識してみようと思います。



 これからこの手のパッチを作ってみたいという方は、こうした本を図書館などで借りてみたり、詳しい方から習ってみるといいかもしれません。興味持ったものは何でも学んでみると、難しい内容でも楽しいものです。

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 あと、先に書くべきでしたが「萌えキャラを”刺繍”パッチとして再現する場合」ということで、他のパッチのデザイン方法も含めて、その手法を書いています。
 萌えキャラパッチに大変詳しい、地元ラジオリスナー仲間がたくさんもっていて、見せていただく機会がありましたが、実際に「刺繍」ですべて作られた萌えキャラのパッチは少なく、代表的刺繍萌えミリパッチ「まりたんパッチ」を除き、多くの場合、プリントが使われているようでした。

 詳しくは”昇華プリント”という方法で、刺繍したような風合いのクロス生地(エンブクロス)に転写し、部分的に刺繍を入れて雰囲気を出しているわけです。この方法なら安くできますし、細い線も細かい模様も作れます。色数も基本制限なしで、グラデーションもキレイです。
 イラストの上に文字やちょっとしたラインを刺繍しているケースもありますが、近年発売されたカメラ付き刺繍機を持っているなら、問題だった”位置合わせ”も一発クリア。

 昇華プリントの萌えキャラパッチは台湾製が多いようで、実は台湾は刺繍産業が盛んで、技術も高いです。
 かの「トモダチ作戦パッチ」も台湾製だったと耳にします。先日、営業のエアメールが台湾から届いたときはびっくりしました(汗)

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 さて、刺繍パッチを作るために、何度か書き直した絵を「清書」する作業に入っていきます。

 PCを使って描かれている方は専門でしょうから、作図で心配することは殆どないと思われますが、PC作図においても、手書きにおいても、前回までに説明している刺繍を行ううえでの”制約”を考慮していただく形になります。

制約はこちら。
http://sacomworks.militaryblog.jp/e485649.html

 PCで描かれる方の場合、どうしても「デザインありき」になってしまう傾向がありますので、刺繍パッチとして仕上げるという意味で、あらためて前回までの日記一読いただければ幸いです。
 では、手書きの場合どうやって書いていくか・・・しかし、意外にも”ある方法”で書いていくことで、PCよりも刺繍に移行しやすい場合があるのです。


 手書きの場合、下記の条件で作りこんでいくと、非常に単純化されます。


(1)サイズ通りに描く。
(2)直線は定規を、円形はコンパスを使う。
(3)最初はシャープペンシルやエンピツで描く。
(4)太目のサインペンやマジック(1mm幅程度)を用いて、できるだけ丁寧になぞる。
(5)エンピツ等で描いた線を消す。



 これはすべてのパターン・・・たとえばウィングマークなどには使えない場合もあるのですが、キャラクターを刺繍するような場合は、概ね使えます。ミソは(4)の1mm程度のペンを使うことです。
 1mm幅程度あれば、なめらかな線の刺繍もできますし、このペンで実寸サイズで書けない文字は、刺繍でもできないと考えれば間違いありません。


下書きができたら、一度コピーしたうえで着色します。
着色は色鉛筆でも構いませんが、できるだけハッキリした色で着色します。
「この部分はこの色」という注釈を入れていただけると、後ほど作業しやすいです。


 プロの方は色の表示を入れて大変わかりやすいのですが、特殊な色にすると「生地がない」「糸がない」ということになりがちです。できるだけ基本色でまとめるのがスムーズです。


 刺繍糸はメーカー別で考えた場合、厳密には1000色以上ありますが、意外とマッチした色がない場合もありますし、ベース生地にあたる部分に難しい色をあてがわれた場合、全面を刺繍することになるためコストを跳ね上げたり、製品全体に悪影響を与える(変形が強くなる・刺繍に刺繍を重ねるので、模様が甘くなる)場合さえあります。

 あと、ベース生地との兼ね合いで、発色の具合が微妙に変わります。
 (萌えキャラパッチを作る場合、血色が悪くなるので青ベースは避けたいところです)


 なお、ご依頼にあたって手書き図案を送られる場合は、スキャナーで読み込むか明るい場所で”正面から”写真を撮っていただくか、郵送の場合は必ず「カラーコピー」で郵送お願いいたします。



 なお、今回製作した「めいどいん沖縄」パッチについては、文字が入る「帯」の部分を生地露出させることで、小さな文字(5mm)の発色をよくして、刺繍面積を下げたうえで、変形対策も兼ねるという方法を使っています。
 こうした判断は刺繍店・職人さんによって考え方がまちまちなので「これはこう縫うべき」という事でもありません。それが刺繍製品の面白さの一つでもあります。


・・・文章だけで申し訳ないですが、デザイン作画はこういう工程になります。
なぜ写真がないかというと、ボールペンで何度か描いた画像をPCに読み込んで、刺繍ソフトで書いちゃったためです。

自分で書いた図案のため、下書きから直接データ作成を行うことができましたが、一般的にご入稿される場合は、上記の方法(サインペン等で原寸大で丁寧に書く)を心がけていただければ、大変スムーズに作業できますので助かります。



(製作途中の刺繍データ)


(概ね完成した刺繍データ)



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 最後に配色についてですが、難しい色を使わなければ、好きな色で着色されて構いませんが、色がたくさん入っているより、同色系でまとまっている方がすっきりして、きれいに見える印象です。色数が多くなるとやや高くなったり、糸発注に伴い別途料金をお願いする場合もあります。
 キャラクターはキャラクターでしっかり色を使って、周囲は数色にまとめるという感じなど、ケースバイケースではあります。

 配色については、仕事柄よく「サブデュード(低視認性配色・ロービジ)」を依頼されます。「めいどいん沖縄パッチ」も、ややサブデュードを意識して配色しています。


 ミリタリーパッチではよくある手法で、私自身も好きで、色パターンについてご提案させていただいています。
 多くのサバゲーチームでは装備品がおのおの好きで使っているので、森林系もあればデザート系もあり、また、最近は都市系のサブデュードもあります。

 また、実際に自衛隊員のお客様からご依頼を受けるさい、色々教えていただくこともありますが、本格的に低視認にする場合もあれば、ある程度明るい色を使うケースもありますし、トーンを落としてサブデュードとする場合もあります。
 一言でサブデュードといっても、パターンや考え方はまちまちなのです。
 (自衛隊員の皆さんの場合、厳密な明記がないのですが自衛隊法関連で手袋等「華美な色は控える」とありますので、あまりハデにならないようサブデュードをお勧めいたします・・・パッチ禁止とか、規制がかかってしまっては悲しすぎます。パッチは士気を高めるうえで重要な装備です。)


 しかしながら、私の好みで言うと、「ワンポイント明るい色を入れる」というのがあります。
 たとえば、黄色とかピンク、白、赤をサブデュードの中にわずかに入れてみるのです。

 迷彩の世界でいえば、マルチカムや砂漠用装備にはトーンを落とした「デザートピンク」が使われていますし、スイス国防軍で使われていたライバーパターンの一種アルペン迷彩には、どぎつい赤、白が使われています。

ライバーパターン:スイスアルペンパターンはこちらのサイトで。赤が多用されています。
http://www2.wbs.ne.jp/~camo0/soubi-sz.htm

 スイス軍アルペン迷彩をはじめて見たとき、大変な衝撃を受けたのですが、赤外線暗視装置で見たときの対策といわれ、マルチカムは何らかの薬剤もあるかもしれませんが、自然界の光の反射率にあわせた配色になっているそうです。(ライバーパターンがマルチカムの祖先と考えていますが、皆さんご見解いかがでしょうか?)

 日差しの強い沖縄では、夏場に裸眼で運転すると赤い色を見るのが辛くなりますが、標高の高いスイスやアフガニスタン、砂漠地帯などで赤やピンク、白はありなのかもしれません。
 また、参考までに”マット金”なども意外とハデにはならず、むしろ迷彩服にマッチしている場合もあります。
  

 萌えキャラを完全にサブデュードにするのは無理がありますが、ワンポイントに明るい色を入れたサブデュードにすることで、装備品にマッチした色合いにすることもできるのではないかと思います。


 トップの写真は、元々カーキ系の強いサブデュードを意識していた色を、OD系に変更したバージョンです。
 赤を少し暗くしたり、白を生成りにするなど、若干ですがトーンを落としています。女性キャラクターにとって肌色は大事だと心得ているので、肌色のトーンは落としていません。


 なお、私はサバゲーフィールドではギリースーツでジっとしているため、パッチ屋なのにパッチを張るところがありません・・・パッチ屋なのに悲しすぎます。


さて、今日は眠れるでしょうか・・・?テンションが妙なまま、本日の記事をお届けしました。 
(つづくカモ)



写真の”sacom worksめいどいん沖縄パッチ”については、「sacom works通販部」にて販売しております。
もし「欲しい」という方がいらっしゃいましたら、現在補充中ですので在庫状況時折チェックしてやってください。

sacom works通販部
http://sacomworks.cart.fc2.com/


sacom worksホームページ

http://sacomfact.web.fc2.com/





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Posted by sacom(モソP)  at 17:28 │技術情報