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2013年10月28日

萌えミリパッチを作る(その3)ワッペンのデザインと外周処理

おはようございます。
なんと3回目を迎える「萌えミリパッチを作る」シリーズ。

萌えミリパッチを作る(その3)ワッペンのデザインと外周処理


めずらしく連続でブログを書いておりますが、「こうやってパッチを作ると、楽に良いものが作れますよ」という指標になれば、ご注文されるお客様も、私自身もスムーズにご依頼できるのではないかと思い、デザイン工程について刺繍屋的な見解を述べさせていただいております。


 最初は落書き程度のラフスケッチからはじまるわけですが、先に書いたとおり1度書いたものを清書して・・・というわけでもありません。

 書いてみて「こうしたほうがいい」とか「これは追加して、これを削って」みたいな作業を繰り返していきます。
 普通は鉛筆で書いて、上からペンでなぞって下書きを消すか、PCに取り込んでグラフィックソフトでなぞる作業になるかと思いますが、私は4回下書きしました。
 この間に添削していきます。

【主な添削】
☆「肉球が欲しい」ということで、肉球のエンブレムを入れようと考えたのですが、手を描くのがめんどくさかったので「グローブを猫にしてしまえ!」ということでエンブレムを削除。駄洒落からメイドさんに変更し、メイドさんの服へ。
☆猫っぽい鈴をと考えたものの、鈴は音がなるのでサイレンサーと整合性が取れない(そのミスマッチもあり・・・)ので鈴をやめてリボンに変更。

 それともうひとつ、パッチの設計において大事なことは「全体的な形状」です。
 パッチ・ワッペンの最大のウィークポイントは、ブログで何度か書いている「外周処理」であり、全体的名形状は非常に重要となります。
 また、外周の処理には色々な加工方法がありますが、おさらいしてみます。また、最近から「ヒートカット」も導入しています。

---ワッペン フチの処理---

☆カットエッジ(ハンドカット)・・・ フチを作って、余分な生地をギリギリでカットする方法。耐久性が高い。一般的なハンドカットは生地が多く残り、生地がほつれる。sacom worksカットはかなりギリギリで切る。洗濯時にホコリがからまるのと、芯地がフチに残るのが難点。

☆カットエッジ(ヒートカット)・・・
 ヒートカッターと呼ばれる精度の高いハンダこてで焼ききる方法。現在のパッチはこちらが主流。切り口はハンドカットよりきれいで、ホコリも溜まりにくい。焼ききることで溶けた生地が接着剤代わりになりほつれ止めになるが、糸にレーヨンを使用するのでハンドカットより耐久性が弱い。複雑な形状に対応可能。

☆メローエッジ(ロックミシン加工)・・・
 専用のロックミシンを用いた”密な巻きロック”。ミリタリーパッチ・・・たとえば米軍のインシグニアパッチなどに用いられているが、縫製業界のなかではミシンが絶版になっているなど、衰退気味で色数が少ない。切り口をつつむのでフチがキレイだが、耐久性はもっとも弱い(普通に使う分は大丈夫ですが・・・)。
 複雑な形が作りづらい(特に内角)。

☆折込
 外周を追ってベルクロを張るなどする。ネームテープや階級章などに用いられる。耐久性は最もある。四角形~8角形に対応。角がふくらみやすい。


--------

 今回は、サイレンサーと「めいどいん沖縄」のハンコ風の部分を円形からはみ出す形にしたいので、外周に3mm幅の縁取りを設定して、ヒートカットで焼ききる方法にしました。
ロックで作った、場合サイレンサーの付け根が上手くいきません。ヒートカッターなら結構複雑な形も焼ききることができます。


 また、文字の配置、全体の配置も非常に重要な要素だと思います。

 ひとつ心がけるといいのは、「絵の重心は若干低目がよい」ということです。
 重心を高くするなら、逆三角形など思いっきり高くしたほうがよく、個人的主観でしかありませんが、上下にバランスよく配置されているか、下側に模様が寄っているくらいが「安定性」があってよい印象を受けます。

 文字は色々と入れたくなりますが、文字のサイズ(太目のゴシック体のカタカナで5mm以上、楷書体の簡単な漢字10mm以上)にも注意したうえで配置していきます。6mm程度のアルファベットを配置する帯を設置するなら、帯の幅は10mm程度あったほうが、あとで調整が必要となった場合作業しやすいです。



 何度か書き直して図案が固まったら、清書して刺繍データを作っていくわけですが、ここに至った段階で是非ともお願いしたいことがあります。ブログを見ている方はサバゲーチームの方が多く、おそらくチームで作ることになるわけですが、萌えキャラを使う使わない問わず、すべてのチームパッチについて、チーム内で「事前調整」していただきたいのです。


 作ったあとで、ああじゃないこうじゃないという話になるとチーム内での調整も大変ですし、いざデータに着手すると、修正する作業は想像以上に大変なのです。一般的なグラフィックソフトと違い、刺繍は「パズル」とか「迷路」の世界でもあり、力学的要素を考えなくてはらないためです。

 いざ手直ししようとなると、パズルと解く作業から入ることになり、複雑な図案を作るときほど、大変な作業になります。なので、できる限りチーム内の調整をしっかりしていただければと思う次第です。サバゲーの休憩中でもいいし、メールでもブログでもラインでもよいので、調整お願いできればと思います。


 しかしながら、チーム内で話がまとまらないのもよくあるケースで、私もチームリーダーの経験がありますので、おおむね予想できます(笑)
 チームで装備を統一しているケースは少なく、おおむね好きな装備で楽しまれているわけですから、当然パッチの好みも違ってきます。そこで提案したいのは、カラーとサブデュード(低視認性配色)で作る方法です。
 それぞれ色変更するのは、多くの場合難しいことではありません(たまに難しいことがあります)。

 パッチのサブデュード化については、また次の話ということで。

(つづく)


萌えミリパッチを作る(その3)ワッペンのデザインと外周処理


写真のパッチについては、「sacom works通販部」にて販売しております。
もし「欲しい!」という方がいらっしゃいましたら、通販部よりお問い合わせいただけますと幸いです。

sacom works通販部
http://sacomworks.cart.fc2.com/


sacom worksホームページ
萌えミリパッチを作る(その3)ワッペンのデザインと外周処理
http://sacomfact.web.fc2.com/




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